落ちれば同じ谷川の水

みんな土に還ろうね

12 お受験大戦争〜中学の陣〜

中学3年になったらみんなそれなりに意識しだすのが受験勉強だよね。

ヤンキーも真面目ちゃんもみんな高校進学に向けて勉強を始めていったけど、中には中卒で就職みたいな人もいた。

親友の高岡くんはものすごく頭の悪い男だったからいつも僕に宿題をやらせていたし、テスト前もいつも頼ってきた。彼は地元の一番家から近い工業高校を志望校にしていた。

僕は県内では5本指くらいの高校に進学したくて、志望校をそこに決めていたため高岡くんとは中学までの付き合いになった。

高岡くんは週に1回〜2回勉強していたみたいで、僕は毎日勉強していた。

 

僕は夏のある日、朝の8時から夕方の5時まで勉強をぶっ通しでやっていたはずだったのに、いつの間にか熱中症で倒れていた。

勉強のしすぎで倒れるってのが学校中に噂で広まって、僕の学力のハードルが上がってしまった。翌週の模試での結果は言わずもがなクソゴミだったので、その上がったハードルは元の高さに戻った。良かった。

 

なんやかんや勉強を続けて三者懇談があった。三者懇談で先生から「うーん、今の学力だと志望校は厳しいので、ひとつ下のランクの高校にしましょうね」って言われてしまった。

僕は帰り道にキレて絶対に受けるからなって思った。

 

そして、高校受験の前期の日に高岡くんと偶然会って、頑張ろうな!って青春っぽいやつやった。

受験が終わって、家に帰る途中で手応えを全く感じなかったから落ちていたら先生の言う通りにしようと思って、結果発表を待っていた。

結果発表の日、高岡くんからメールが来て「受かった!お前のおかげだよ!ありがとな!!」的な文が送られてきたて僕は自分のことのように嬉しかったが、当の本人は落ちていた。

 

おかげさまで後期受験(二次募集)で同じ高校を受けてみた。1枠を33人で争うかたちになり、合格した。後日、高校の先生に聞いたら、二次の学生の中ではダントツだったらしい。やったね。

 

日は過ぎていき、中学の卒業式の日。普段泣かない僕はどうせ泣かないだろって思っていたんだけど、高岡くんが泣いているのを見て式ではなく、終わった後の教室で爆泣きしてしまってみんなからいじられた。

お互い高校は変わるけど、これからも仲良くしようなって青春っぽいやつやった。

卒業式のあとの帰り道に高岡くんと歩いていたら東日本大震災にあったけど、それはここではどうでもいい話だね。

 

中学生編-完-

 

※余談 高岡くんは東京の大学に通って卒業して今は社会人として働いているし、この前2人で遊んだりする仲だよ。

 

親友は1人いればいいと思ってる男のTwitter @nunuss36