落ちれば同じ谷川の水

みんな土に還ろうね

11 中二病と思春期と魂

「黒炎に飲まれよ、我が右手の紋章!!!!!!」

 

僕の頭の中は毎日バトルをしていた。もちろん僕が主人公で、片思いしていた女の子がヒロインで、自己犠牲してでも彼女を守っていた(オレカッケー!)

男なら誰でも一度はするであろう学校にテロリストが乗り込んでくる妄想もした。

妄想上の僕は最強で、現実とは真逆だった。多分強さに憧れていたんだと思う。

 

そうそう、妄想といえば好きな女の子でエッチな妄想を繰り広げていたっけなー。あの頃は童貞だったし、許してって言おうと思ったけど今もでしたね。

今は妄想なんかしないなぁ、若かったんだろうな。

 

なんたって思春期!朝と晩に1回ずつ抜いていたし、元気げんきノンタンか?

“朝起きて抜いてから学校に行って、帰ってきて寝る前に抜く”これが当時のルーティンで中学2年のときはちんぽが擦り切れた。

そりゃ出る出るつゆだく一丁!ってくらい出るし、困るわ。

若さというか猿というか今じゃできないくらいしてたこともあった。

彼女もできるわけじゃないので、右手が恋人状態だったんだけど、夏休みくらいに抜きすぎて飽きがきてしまったんだよね。そのときから左手で抜くことを覚えた。

箸やペンを持ったり、ボールを投げるのは右手、自分の竿を握りしめるときは左という男になったんだ。

右投げ左打ちみたいでちょっとかっこよくない?そうでもないね、ごめん。

 

なんやかんやで思春期っていうのは長くて、異性を気にしたり、ちんぽ握りしめたりすることが多かった中学二年生。

親友の高岡くんとちんぽの長さ比べとかしてた。負けた。非モテちんぽ。

 

そんな僕に悲劇が訪れる。

冬休みに友達と野球して遊んでいたら、友達の打球がセカンドを守っていた僕の股間にジャストにフィットしてしまって、顔は青ざめて崩れ落ちるように倒れた。

友達は「大丈夫?」とか「大袈裟じゃん」って言っていたんだけど、その声が遠退いていった。気づいた時には病室にいて、病院の先生がなにか小さな箱を持っていた。

先生がニコニコした顔で僕に箱の中身を見せてきた。きんのたまや!!!

へその緒じゃないんだから、いちいち見せなくていいのにニコニコした顔で僕にきんのたま(左)を見せてきた。

この文を思い出して書いてるわけでタマヒュンしているんだけど、あの頃は好奇心旺盛だったし、目を輝かせてきんのたまを見ていたっけなあ。

 

僕は魂のひとつを失ったわけだが、いまも元気だよってあの頃の僕に言ってあげたいね。

かたたまボーイのTwitter @nunuss36