10 自分語り 中学1年生編
だいたい小学生なんてクソガキで思い出なんてろくにないから中学生の話をするよ。
入学時に身長が130ちょっとしかなかったから先輩に目をつけられてイジメの的になったんだけど、高岡くんと出会ってイジメられなくなった。
高岡くんは僕の学年では“番長”と呼ばれていて喧嘩が強かったから、高岡くんにいつも守られてた。腕っぷしでが高岡くんと僕とではジャイアンとのび太だよ。
高岡くんは女子からの人気も高くて、1つ上の美化委員の先輩と付き合っていて、僕は正直いまでも羨んでいる。僕は性の知識を身につけたのが遅くて、高岡くんがいつも僕に言っていた「コンドーム」も担任の近藤先生のニックネームだと思っていた。
高岡くんが僕に「彼女とエッチしたわ!」と楽しそうに話しかけてきたけど、僕はよくわからなかったので「うわ!まじかよ!エッチじゃん。エッチだった?」と言ってしまって今思うと何言ってんだって思う。
夏休みになり携帯電話を買ってもらった。初めてアドレス交換したのも高岡くんだ。
高岡くんからエッチな動画のURLが毎日送られてきてはお互い感想を言い合った。
僕が初めて抜いたエッチ動画は痴漢ものだったのは高岡くんにも言っていないのでここだけの秘密にしてほしいところだ。
ちなみにワンクリックの架空請求のメールもたくさんきて焦ったのもこのときだね。
中学生からすれば千円札をもらうことすら目を輝かせるほどなのに20万ほどの請求が来たらキンタマもシュッとする。そのときも高岡くんに助けてもらったね。
夏休みが明けて、高岡くんにモテ期がやってきた。
いつも一緒にいた僕は高岡くんへのラブレターの渡し役をやらされていた。
高岡くんと帰り道が同じなので、毎回ラブレターを嫌味ったらしく音読してやったわ。毎回困ってて楽しかった思い出のひとつだね。
冬にはね僕も女子から告白されたんだ。罰ゲームだった。
それを知らずにウキウキしていた僕と、罰ゲームと知って怒りを抑えきれなくなっていた高岡くんがいたんだね。
高岡くんは女子に本気で怒っていたよ。あんなに女子に優しい男がね。
僕は悲しい反面、嬉しかったからどっちの意味かわからないけど泣いちゃったんだ。
それっから女子という存在をあんまり信用できなくなってしまったんだけど、今の僕が当時の僕を見たらきっと「大丈夫だ。恋人もできないし、童貞のままだけど幸せだぞ」って言ってあげられる気がするんだよね。
自分語り 中1編 完
コンドームの意味を知らなかった男のTwitter @nunuss36